バネホックはレザークラフトで最もよく使われる留め具です。こちらの記事ではバネホックを綺麗にそして簡単につけるための手順とコツを写真付きで解説します。
市販のバネホックのサイズや必要な道具もまとめていますので、買う前の確認にもどうぞ。
バネホックと打ち具のサイズ一覧表はこちら(ページ内リンク)
また、ずれるや曲がるなどバネホックをつけるのに失敗してしまっても、革を傷つけることなく外す手順も解説します。
バネホックとは
バネホックはスナップボタンの一種で、その名の通りバネが入っています。そのため軽い力で開け閉めのできる一方で閉じる力が強く、レザークラフトにおいて最もよく使われる留め具です。バネホックよりも強力に閉じられるジャンパーホックというものもありますが、バネホックの方が大きさや色のバリエーションが多く一般的によく使われています。
バネホックの使用例はこちらから
バネホックを付けるのに必要なもの
バネホックをつけるためには、つけるバネホックの大きさに合った打ち具と台座、それに木槌が必要です。また革に穴をあけるためにパンチとゴム板も必要になります。これらはレザークラフト用品店やネット通販で購入することができます。バネホックと打ち具、ハンマーが含まれたバネホックセットなども売っているため、道具の少ない初心者の方にはこういったものがオススメです。
必要な道具
・バネホック
・バネホック打ち具
・レザーパンチ
・木槌
・ゴム板
バネホックの付け方
レザーに穴を開ける
まずはつけるバネホックの大きさに合わせてレザーに穴をあけます。バネホックはオスとメスであける穴のサイズが異なります。バネホックのサイズごとの穴のサイズはこちらをご確認ください。バネホックと打ち具のサイズ一覧表はこちら(ページ内リンク)
例として、バネホック(小)をつける場合の手順を説明します。オスパーツを取り付けるのに必要な穴のサイズが1.8mm、メスパーツ取り付けるのに必要な穴のサイズが3.6mmなので、これに近いサイズのパンチで穴を開けます。このときレザーの厚みや柔らかさ、パンチの精度によって穴のサイズが±0.5mm程度変わる場合があります。そのため下の写真のように作品に使用するレザーのハギレなどを使用して、最低でも前後の3種類のパンチで穴のサイズを確認するとよいでしょう。
コツ
・実際に作品に使用するレザーのハギレなどを使用して数種類のサイズの穴で確認する
穴をあけるときは、ゴム板の上に革をのせ、パンチを真上から木槌で数回叩きます。
コツ
・パンチは真上から叩く
・一度で穴をあけようとせず、数回に分けて叩く
バネホック(オス)を取り付ける
バネホック(オス)は2種類で1セットとなっており、高さがあり細い方が「ホソ」、低く丸みのある方が「ゲンコ」と言います。
ホソを革にあけた穴に通し、打ち台の平らな面(窪みがない側)の上にセットします。革とホソを台座にセットしたら、ゲンコをホソの上に重ねます。
次に打ち棒と木槌を使ってバネホックをしっかりと打ち込みます。窪みのある方の打ち棒をゲンコに対して垂直にセットし、木槌で数回真上からに叩きます。パンチで穴をあけた時と同様に、一度で打ち込もうとせず数回に分けて叩くのがポイントです。バネホックがしっかりとレザーに固定されるまで、繰り返し叩きます。このとき強く打ち過ぎるとバネホックが曲がったり、レザーが損傷する可能性があるので注意します。
コツ
・打ち棒は真上から叩く
・一度で打ち込もうとせず、数回に分けて叩く
バネホック(メス)を取り付ける
バネホック(メス)は2種類で1セットとなっており、つるりとした曲面を持つ方が「アタマ」、中央に窪みのある方が「バネ」と言います。
バネは革にあけた穴に通し、アタマは打ち台の窪みの上にセットします。セットできたらバネを通した革をアタマの上に重ねます。
次に打ち棒と木槌を使ってバネホックをしっかりと打ち込みます。出っ張りのある方の打ち棒をバネに対して垂直にセットし、木槌で数回真上からに叩きます。パンチで穴をあけた時と同様に、一度で打ち込もうとせず数回に分けて叩くのがポイントです。バネホックがしっかりとレザーに固定されるまで、繰り返し叩きます。このとき強く打ち過ぎるとバネホックが曲がったり、レザーが損傷する可能性があるので注意します。
コツ
・打ち棒は真上から叩く
・一度で打ち込もうとせず、数回に分けて叩く
仕上げ
バネホックのパーツがしっかりと留まっているか、正しく開閉するかを確認しましょう。必要な場合は接着剤を使用して、バネホックとレザーの接合部分を強化することもできます。
バネホックの外し方
バネホックを付けるのに失敗してしまっても、革を傷めずに取り外すことが可能です。
革を傷めずにバネホックを取り外すには、打ち棒と打ち台がセットになった金具はずしが必要になります。1種類の金具はずしでオスパーツもメスパーツも外すことができます。
外したいバネホックを、大きさの合う打ち台の上にセットします。
このとき、オスパーツの場合はホソを上側に、メスパーツの場合はバネを上側にします。どちらの場合も打ち棒を差し込む穴がある方が上側です。
穴に打ち棒を差し込み、木槌で数回叩くと簡単に外すことができます。叩くときはゴム板を敷いておきましょう。
外したバネホックは再利用できないため、新しいものを付け直します。
バネホックと打ち具のサイズ一覧表
バネホック | パンチ(ハトメ抜き) | 打ち具 | |||||
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商品名 | 構成パーツ | アタマの外径 | 穴のサイズ | 号数 | 商品名 | 打ち棒 | 打ち台 |
バネホック 小 (No.1) | オス | - | 1.8 mm | 6号 | バネホック打 小 | 凹 (小) | 平面 |
メス | 10.0 mm | 3.6 mm | 12号 | 凸 (小) | 窪み面 (10mm) | ||
バネホック 中 (No.2) | オス | - | 2.4 mm | 8号 | バネホック打 小 | 凹 (小) | 平面 |
メス | 11.5 mm | 4.5 mm | 15号 | 凸 (小) | 窪み面 (12mm) | ||
バネホック 大 (No.5) | オス | - | 3.0 mm | 10号 | バネホック打 大 | 凹 (大) | 平面 |
メス | 13.0 mm | 5.4 mm | 18号 | 凸 (大) | 窪み面 (13mm) |
表の内容はSEIWAのものです。
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